原状回復求め「勧告」/平良松原の農地違法転用
刑事告発など検討へ/市農業委が粟国市議らに
約8年間続いている平良松原における農地の違法転用について市農業委員会(芳山辰巳会長)が市議の粟国恒広氏や地権者(粟国氏の兄)、広栄開発に原状回復を求め「勧告」したことが21日、分かった。開会中の市議会(平良敏夫議長)の3月定例会一般質問で芳山会長が長崎富夫氏の質問に明らかにした。勧告は15日付。今後は行政代執行、刑事告発などを検討していくという。
同問題は広栄開発が平良松原の農地を違法転用し重機ヤードとして整備、使用し続けており、農業委員会では2016年6月に農業委員からの情報をもとに現地調査を実施し、農地の違法転用状態であることを確認した。同年9月に粟国氏や地権者らに指導通知を出すなど、原状回復を求めてきたという。
当初、違法転用状態だった農地は約2000平方㍍だったが現在は約6000平方㍍まで広がっているという。
これまで県が22年度までに原状回復を求めて勧告を発出しており、今回の勧告で2回目。期限はなく速やかな「原状回復」を求めるものだという。今後は地権者に弁明の機会を与えるが、弁明の有無に関わらず農業委員会としては粛々と対応していく方針。
長崎氏は「当事者は特例での農地転用を認めてほしいと主張している。農業用施設の転用以外に農振農用地の転用に特例はあるか」と質問した。
芳山会長は「市でも県内でもそのような事例はない。事業者がいかなる主張を行っても許可することはできない。国についても同様だ」と話した。
この日の一般質問には長崎氏のほか、前里光健、狩俣勝成、下地茜の3氏が登壇した。予定していた下地信男氏は体調不良で欠席した。