公共交通の自動運転目指す
県、多良間で実証実験へ/無人化バス、カート型想定
【那覇支社】県は公共交通の自動運転に向けた実証実験を、2024年度から多良間村で行う。このほど行われた、県議会の総務企画委員会で、宮古島市区選出の國仲昌二氏(おきなわ新風)の質問に、県当局が明らかにした。人が補助する段階から始め、将来的には無人化された自動運転を目指す。
空港や港と集落を結ぶルートでは「バス」タイプ、集落内は「カート」タイプの公共交通を配置する。現状で運行している村営バスとの切り替えも想定している。
この実証実験は、運転手不足などで公共交通の維持が困難になると想定される離島・過疎地域で、持続可能なモデルを作ることが目的。多良間村で2~3年程度にわたり実証を行った上で、他の地域に展開を検討するという。
24年度は、同村で5~12月にニーズ調査や住民との話し合いをしながらルートなどを決めていくワークショップを行い、実証実験は10~12月に実施する。
県の担当者は、「離島・過疎地域での交通の維持、確保は重要な課題。将来を見据え、課題解決の一つの手法として、自動運転の技術を導入していきたい」と目的を述べた。
また、「一般的には自動運転はコストが掛かる面もある。低コストにして持続可能にしていきたい」と語った。
國仲県議は「非常に良い事業だと思う。ぜひ、多良間村で成功させて、(他地域に)結びつけてほしい」と期待した。
実証実験などは、24年度に県が計画している新たな「自動運転交通サービス地域実装推進事業」によるもの。
内閣府のデジタル田園都市国家構想交付金(県予算5293万円、補助率1/2)、国土交通省の地域公共交通確保維持改善事業費補助金(同9439万円、補助率10/10)の活用を予定している。