野犬捕獲は147頭/市23年度
家畜咬傷被害9件
市内で2023年度中に捕獲された野犬は147頭となったことが25日までに分かった。野犬の家畜咬傷被害は同年度で9件発生しており、中には子牛が咬み殺された事例もある。市では今後も宮古保健所と連携し、野犬被害等の通報があった場所へわなを設置するなど、捕獲に取り組んで行く方針だ。一方、現在市に登録されている犬の件数は2729頭となっており、「犬の放し飼いをやめる。飼い犬の登録をするなど飼い主として適正に飼育する」ことを訴えている。
9件の家畜咬傷被害の内訳は牛4件、ニワトリ5件。野犬の捕獲数は減少しているが、ここ数年は年間約200頭で推移している。野犬が減らない原因として市は犬の放し飼いなどで野良犬との間に子犬が生まれ、野放しになることも要因と見ている。
野犬被害については、開会中の市議会3月定例会一般質問でも狩俣勝成氏が「ノイヌ(野犬化した犬)は狩りをして生きているという話だが、最近、家畜の子牛が咬み殺されて中には肉を食いちぎられたような痕も見られる。これも狩りをするノイヌに当たるかと思う。畜産農家から、防犯カメラの映像や写真の提供があり、襲った野犬は特定されているが、まだ捕獲できていない」と状況を説明し、「子どもたちが犬を発見し、万が一ふざけて走り回ったりした場合に襲ってくる可能性がある。危険を知らせるチラシの配布や看板設置などできないか」と質問した。
下地睦子環境衛生局長は「家畜を襲った野犬については3頭を確認している。襲った野犬の対応としては、襲われた牛舎付近に箱穴(わな)を仕掛けていたが、襲った後は牛舎に近づいておらず、捕獲に至っていない。犬は行動範囲が広く移動しながら行動しているので、居場所の特定が難しいことも、捕獲に至っていない要因」と説明。「今後も宮古保健所と連携し、通報があった場所へ箱穴の設置等、引き続き捕獲に取り組んでいく」と述べ、市の広報誌やチラシの掲示などで市民に情報提供を継続して呼び掛けていく考えを示した。