粟国氏の辞職勧告決議可決/市議会3月定例会
与野党中立の賛成多数/農地違反転用を問題視
開会中の市議会(平良敏夫議長)3月定例会は27日、最終本会議を開いた。当局が提案した議案の可決後に、平良松原の農地違反転用に関与している粟国恒広氏に対する議員辞職勧告決議を与党議員が提出。粟国氏退席後の採決では与野党中立のほとんどの議員が賛成に回り、賛成19、反対2で可決された。議会終了後に粟国氏は会見を開き、議員辞職しない方針を表明した。
同決議に賛成したのは与党と中立の全12氏。野党からは富浜靖雄、新里匠、狩俣政作、平良和彦、下地信広、前里光健、山里雅彦の7氏が賛成に回った。
粟国氏と同じ会派の上地廣敏氏と我如古三雄氏の2人は反対した。下地信男氏は欠席だった。
決議案を提出した山下誠氏は「一連の言動は市議会はおろか、法を順守するすべての市民への裏切り行為である。規範意識の欠如により、市や市議会に対する市民の信頼を著しく失墜させたことは断じて許されない」と厳しく批判した。
討論では賛成意見として与党の池城健氏は「農業委員会から原状回復の勧告を受けながら無視続けている。市議会としてしっかりと態度を示すべきだ」と述べた。
野党の我如古氏は反対意見として「裁判所の調停の結果を踏まえた上で判断するべきだ」と語った。
弁明の機会を与えられた粟国氏は「故意にはやっていない。行政の間に挟まれて行き場所がなかった。法廷の場でわれわれの言い分、農業委員会の言い分を聞いてもらい、解決に向けて努力したい」と話した。
議員辞職勧告決議は、不祥事などで公職の身分にふさわしくないとされる人物に対して行われる議会の意思表示。自発的な辞職を促すもので、議員に対する除名や首長に対する不信任決議とは異なり、法的拘束力はない。
最近の市議会では2017年と19年にそれぞれ提案された。2件とも可決されたが当該議員は辞職を拒否した。