アオドウガネの根絶目指す/可動式誘殺灯1693基設置へ
昨年度は485万匹捕獲/関係者集い点灯式
サトウキビの土壌害虫であるアオドウガネの成虫を光りでおびき寄せて捕獲する可動式誘殺灯の点灯式(主催・さとうきび土壌害虫防除推進協議会)が26日、県宮古合同庁舎1階ロビーで行われた。今年の可動式の設置数は1693基で、固定式の464基を合わせた数は、2157基。設置期間は宮古島と伊良部が7月下旬、多良間が同月中旬までとなっている。
アオドウガネは、キビの根部を食い荒らし立ち枯れや、株不萌芽の被害を与えている害虫。可動式誘殺灯は、同害虫の根絶を目指し2007年、大量に導入された。
可動式と固定式を合わせた捕獲数の推移をみると10年度の数は485万匹で、08年の851万匹と比べると4割の減少。誘殺灯の効果で、成虫の生息密度が低下している傾向が明らかになった。
誘殺灯の今年度の配置について同協議会は「昨年捕獲数が少なかった地域から、密度の高い地域への可動式誘殺灯の一部移設も積極的に検討した方が良い」と提言している。
点灯式で仲宗根盛和土壌害虫防除推進協議会長は「宮古圏域のサトウキビの安定生産への課題の一つに、春植・株出の増産が挙げられる。立ち枯れの一因となり株出の普及を妨げるアオドウガネの繁殖を防ぐため、誘殺灯は有効な手段。今後とも、効果が期待される」とあいさつした。
伊良部地区さとうきび生産組合の渡久山毅組合長は「誘殺灯は地域の財産。その財産を地域で管理して、守っていくことが重要と考えている。今後とも関係機関と連携して、誘殺灯守っていきたい」と、盗難防止に決意を示した。
宮古では、可動式誘殺灯のソーラーパネルの盗難が09年から発生し、問題化していた。