新城、下地両氏に決定/第15回平良好児賞
22日に表彰式 選考委が発表/本社主催
第15回平良好児賞(主催・宮古毎日新聞社、主管・宮古ペンクラブ)の選考委員会がこのほど開かれ、新城森彦氏(76)=平良=の歌集「万の花房」と、下地ヒロユキ氏(53)=同=の詩集「それについて」の2作品の受賞が決まった。選考委員会の伊志嶺亮委員長らは5日、市内ホテルで会見を開き受賞作と選考評などを発表した。表彰式は今月22日に市内ホテルで行われる。
平良好児氏生誕100周年の節目を迎える今年、同賞には自薦・他薦含め計10作品の応募があった。その中から、選考委員会が受賞候補4作品を選び、審査を行った結果、元中学校校長で受賞作を含めこれまでに6作の歌集と1作のエッセイを出版している新城氏と、歯科医師で今作が初出版となる下地氏の作品が選定された。
新城氏の歌集「万の花房」は、日々の何気ない日常を詠んだ約300の歌がつづられている。同作について伊志嶺委員長は「同氏の作品はこれまでも候補に挙がってきた。息の長い活動をしていることだけでも受賞の価値がある。きれいで、日常的で誰にでも受け入れられる作品」と評した。
下地氏の詩集「それについて」は、これまでに同人誌「宮古島文学」などに掲載されてきた詩27編を掲載している。同作については「作者の言語感覚の鋭さや、宇宙観、家族観、人間観が優れている。彼らしい切り取り方で作品に仕上げている。これからの作品にも期待したい」と語った。
受賞について、新城氏は「受賞は期待していなかったが、選んでもらいありがたく思っている。今後もこれまで通り、日常生活の中での出来事を詠んでいきたい」、下地氏は「創作者として階段を一歩上れた気がする。常に根源的な本質的な部分を表現したいと思いながら書いてきたところが評価されたのだと思う」と感想を語った。