「普天間移設」溝埋まらず/防衛相、仲井真知事と会談
きょう宮古島市訪問
【那覇支社】北沢俊美防衛相が7日、来県し県庁で仲井真弘多知事と会談した。仲井真知事が米軍普天間飛行場の県外移設を求めたのに対し、北沢氏は昨年5月の日米共同発表に基づき、同基地を名護市辺野古へ移設する方針に変わりがないことを強調。会談は平行線をたどった。北沢氏は、きょう8日に宮古島市を訪れ、下地島空港を上空視察するほか、市上野野原の航空自衛隊宮古分屯地を訪問した後、下地敏彦宮古島市長と面談する予定。
仲井真知事との会談で北沢氏は、普天間の辺野古移設を条件に沖縄の米軍基地負担軽減について、「もう一つ、二つ新しいことを実行すれば、沖縄の負担軽減になるだろうと思っている」と述べ、新たな基地軽減策を用意していることを明らかにした。
軽減策の具体的な内容については説明しなかったが、近く開かれる日米全保障協議委員会(2プラス2)や日米首脳会談で、その内容を明らかにする方針であることを示した。
県は会談冒頭、北沢氏あて要望書を提出。普天間の県外移設と早期の危険性除去、在沖海兵隊のグアム移転、日米地位協定の抜本的な見直しなど在沖米軍基地問題に関する9項目について与世田兼稔副知事が説明した。
一方、防衛省側は県から「なぜ、辺野古移設でなければならないのか、県民に対する明確な説明がない」との回答パンフレットを準備し仲井真知事に手渡した。
会談終了間際になって、仲井真知事がグアム協定に言及し、パッケージ論は元々存在しないとの趣旨を発言。「辺野古移設との関連は理解しがたい」と述べ「20~30㌔範囲の移動でなければならないという理由が分からない」として、納得できる説明を迫り、昨年5月の日米合意を見直すよう強く訴えた。