宮古島市斎苑の完成祝う/16日供用開始
長年の懸案実現
宮古島市の新葬祭場「宮古島市斎苑」の落成式が10日、同苑に下地敏彦市長や旧町村長、下地明市議会議長ら多くの関係者が集い、行われた。1996年8月の第1回宮古広域葬斎場(仮称)検討委員会から、約14年の歳月を経て竣工を迎えた。同苑は16日から供用開始する。
下地市長は「宮古本島ではこれまで公営の葬祭場が整備されておらず懸案だった。葬祭場の落成には感慨深いものがある。行政を預かるものとして喜びに堪えない」とあいさつした。
県宮古事務所の黒島師範所長は「厳粛な中にも環境、衛生面の条件を十分に満たした施設。野辺の送りにふさわしい施設として市民にとって満足な施設になった」と祝辞を述べた。
下地明議長は「1996年に宮古広域圏事務組合において、広域葬斎場建設検討委員会が発足して以来、協議が行われ、このたび『明るく清潔で、周辺環境に調和し、環境負荷低減を考慮した葬祭場』の落成を迎えたことは誠に喜ばしい」と祝いの言葉を述べた。
式典では市斎苑の設計、建設に携わった企業13社に下地市長から感謝状が贈呈された。
落成式後は関係者が集い、同苑内で祝賀会を催した。
事業費は約9億4000万円。市が運営する公営葬祭場は伊良部島に一つあるが、本島内では初めて。
1996年の第1回宮古広域葬斎場(仮称)検討委員会から建設候補地の選定が難航した。2004年、広域圏事務組合理事会で袖山墓地公園北隣を建設候補地と決定したが、住民の反対で建設には至らず、建設候補地が二転三転した。
05年の市町村合併で宮古島市に葬祭場建設は引き継がれ、08年、市は現在のミヤコン(宮古コンクリート工業)北側の市有地を建設予定地として決定。10年3月に着工した。
建物は地上2階建てで、敷地面積は9600平方㍍。遺体と最後の別れをする「告別ホール」、棺が火葬炉へ入るのを見送る「炉前ホール」、火葬終了後、遺骨を骨壺に納める「収骨室」、火葬の待ち時間に利用する「待合室」(和室、洋室)-などを設けたほか、普通乗用車40台、マイクロバス1台分の駐車場も完備した。火葬炉は2基設置し、1日3体までの火葬が可能。火葬料は大人の遺体1体2万3000円。
施設使用時間は午前9時~午後5時(受付時間は午前8時15分~午後5時15分)。「休苑日」は元日と台風時など管理上必要と認められる日。