「開かれた社会へ歩む」/ハンセン病市民学会
名護市で総会・交流集会開く
【那覇支社】宮古島市での交流集会とフィールドワークなどを終えた第7回ハンセン病市民学会総会・交流会in名護・宮古島(主催・同実行委員会)は21日、会場を名護市に移し、同市民会館で2011年度の総会と交流集会を開いた。国賠訴訟勝訴から10年、らい予防法廃止15年の節目の年に当たる総会では、ハンセン病回復者の交流、検証、提言によって開かれた社会へ歩み続けることを誓い合った。
主催者あいさつで訓覇浩共同代表は、「第1回の熊本集会開催から、沖縄大会開催を多くの人が望んでいた。日本のハンセン病問題を照らす光が、この地から発せられるものと期待する。何が実現でき、何が実現できなかったのかを見極める大事な年だ」と述べ、名護市、宮古島市での開催意義を強調した。
また、共同実行委員会の金城雅春委員長は、東日本大震災の犠牲者に哀悼の意を表した上で、「私たちに立ち止まっている時間はない。退所者が高齢化し、受けられるはずの幸せを享受できずに亡くなっていく。新法が厚労省の中でも認知されていない状況を打破していこう」と呼び掛けた。
総会後、交流集会が開かれ、「ハンセン病回復者のいま」と題して3人のパネリストが差別の歴史や、沖縄愛楽園での体験談などを報告した。また、第2部は「いま、ぬけだそう!手をつなぎ共に生きる社会へ」と題してパネルディスカッションが行われた。
同集会は、きょう22日に同市の沖縄愛楽園を主会場に分科会や研究発表、フィールドワークなどを開く予定。