「台風石」や植物など見学
市民ら東平安名崎を歩く
市総合博物館(奥平徳松館長)で開催中の第17回企画展「東平安名崎の自然と歴史」の関連行事で21日、現地見学が行われた。市民22人が参加し、台風石(岩塊)や津波石(同)、植物、パナリに住む鳥などを観察。講師は地質学に詳しい安谷屋昭さんと、市教育委員会の佐藤宣子さんが務めた。
岬の東端では、岩塊群が見られる。その一つが「マムヤの墓」と呼ばれる岩。推定重量は180㌧。安谷屋さんは「海面が現在より10㍍以上も高かったころ、台風の高波によって横転移動したと思われる。形成年代は、10~11万年前と推定される」と話した。
岩肌が摩耗し丸みを帯びた岩については「高波より強力な大津波によって海底の回転石が打ち上げられた可能性が大きい」と推測。岩に付着するサンゴ片の年代推定の結果、1771年の明和の大津波以前に数回の津波があったとみられるという。
参加した男性は「自然の力、水のパワーを実感した」と感想を語った。
参加者らは、望遠鏡をのぞきパナリ岩礁一帯を飛び回るアジサシを観察した。同所は、アジサシの貴重な繁殖地。今後は保護のために、繁殖期の立ち入りを禁止することが望まれるとしている。
自生する植物のうち、テンノウメ群落は、日本最大規模。希少種のミヤコグサやインドカズラも特徴的な植生という。