台風接近に農家危機感
マンゴー、葉タバコの被害懸念
台風2号の宮古島地方への接近を受けて、農作物を生産する農家は27日、強風対策に追われた。本格的な収穫を40日後ごろに控えたマンゴー生産農家はハウスの補強作業を開始。台風が直撃の場合は大きな被害が予想されるため、台風の進路や勢力に神経をとがらせている。
平良底原のマンゴーハウスでは、持ち
主の下地満雄さんがハウスのビニールにひもを掛けて押さえる作業を行い、強風に備えた。
ハウスは風速60㍍にも耐える構造だが、30㍍を超えると対策をしてもビニールがはがれるという。
下地さんは「進路が宮古をそれるか台風の勢力の衰えを願うしかない。直撃の場合は全滅になる」と話した。
上野のハウスでは暴風ネットの被覆や実の打撲、こすれを防止する特殊なネットで実を包む作業を行った。持ち主の男性は「農業は自然との勝負なので厳しい面がある。ぎりぎりまでやれるだけのことをやるしかない」と表情を引き締めた。
宮古島地方気象台によると、強い台風の接近は9月ごろに多いとしており、マンゴーが実る5月に接近するのは珍しいという。
マンゴーと同様、大きな被害が懸念されているのが葉タバコ。施設栽培ではないため台風の影響をそのまま受けることになる。
城辺の農家は「すでに干ばつや台風、長雨の影響をもろに受けているので厳しい。台風2号が直撃すると葉は飛ばされてしまう。どうしようもない」と肩を落とした。
葉タバコは台風1号や長雨の影響を受けて宮古各地で疫病被害が発生し、生育に悪影響を与えている。台風2号が直撃すれば高収入になる合葉にも被害が出るため、生産農家をはじめ関係者が強い危機感を示している。