「島ぐるみの対応必要」/青少年問題
関係者が協議会で意見交換
2011年度宮古島市青少年問題協議会の第1回協議会が27日午前、市役所平良庁舎で開かれ、教育に関係する団体の代表が市の青少年問題について意見を交わした。委員らは青少年の検挙事案や補導問題、心の病に苦しむ子どもたちの実態を把握。「島ぐるみの対応が必要」とし、調査を継続しながら必要な措置を講じていく決意を新たにした。
この協議会は、青少年の指導、育成、保護および矯正に関する総合的な施策の樹立に関して必要なことを調査する組織。市当局や市議会議員、学校、PTA、警察、その他社会団体の代表ら計14人で委員を構成している。
冒頭、会長を務める下地敏彦市長は「高校生の集団飲酒や無免許運転があり、モラルが低下している。これらの問題にどのように向き合い、どのような形で子どもたちのモラルを向上させるのか。皆さんの経験を生かしてより良い方向を見つけてほしい」と話した。
この後、宮古島署が少年非行の概況を説明した。11年4月末現在の検挙・補導件数は前年の同時期と比べて減少しているが、すでに6件発生している集団飲酒は県内14警察署管内で2番目に多いとして未然防止への啓蒙を呼び掛けた。
最後に意見交換を行い、各団体がそれぞれの立場から青少年問題の根深さを語った。薬物問題では「簡単に入手できる現状をなくすことはもとより、学校での薬物乱用防止勉強会の開催が必要だ」とする指摘があった。警察や家庭児童相談委員からは、子どもを救う児童相談所の開設を求める声があった。
PTAは公民館などの集会場で堂々と飲酒する子どもたちの行動が「理解できない」と指摘。この件に関して副会長を務める川上哲也教育長は「堂々と酒を飲む子どもがいるという事実がある。この現状をどう捉えて解決していくのか、真剣に議論していかなければならない」と述べた。