葉タバコ、16億円の損害/台風2号
重量比で5割以上が被害/壊滅的な状況を裏付け
先月28日に直撃した台風2号の強風で壊滅的な被害を受けた葉タバコの被害額が16億1000万円に上ることが県たばこ耕作組合などの調べで分かった。15億円以上の被害は初めて。同組合によると、重量比では50%以上の葉タバコが被害に遭っているという。砂川栄一組合長は「半分以上が被害に遭った。過去に例がない台風だけにどうしようもない」と話した。
台風通過後に同組合などが各圃場を調査し、3日に県を通して被害額を発表した。16億円の被害額は品目別では最多。サトウキビの6億2700万円をはるかに上回っている。
5月としてはまれな強い台風の襲来が葉タバコを全滅させた。例年に比べて葉の収穫時期が遅れたことも被害が拡大した要因に挙げられている。
台風接近時、未収穫の葉タバコは重量比でみると全収穫量の半分以上が圃場にあったという。ほとんどが合葉や本葉といった厚みのある葉で高収量、高収入が期待されたが台風の強風ですべて吹き飛ばされた。
砂川組合長は「これから厚みのある葉を収穫するところだったので重量比では半分以上の葉タバコが被害に遭っている」と被害状況を話した。その上で「全体の葉タバコが一発でだめになる大きな被害。厳しいとしか言えない」などと被害の大きさを語った。
葉タバコ以外の宮古地区の被害金額は▽サトウキビ6億2700万円▽野菜2億200万円▽マンゴーなどの果樹1億4000万円▽農業用施設関係3500万円-などで計26億2800万円。県全体では▽サトウキビ10億4100万円▽野菜11億6800万円▽果樹4億2400万円▽葉タバコ30億5400万円-などで計64億8300万円の被害となっている。
台風2号は先月28日午後1時ごろから約6時間にわたり宮古島地方を暴風域に巻き込んだ。50・4㍍の最大瞬間風速は1938年の統計開始以来、5月としては過去最高の風速だった。