「ヤッカヤッカ」終日響く/盛大に多良間スツウプナカ
五穀豊穣に感謝
【多良間】多良間村の豊年祭「スツウプナカ」最終日の7日、神歌を唱和する「ヤッカヤッカヤッカ」が終日4カ所の祭場から響き渡った。参加者らは、ウヤキツヌザラ(富貴角皿)に満たされた神酒を回し飲みし、旧年中の大豊作に感謝し、新たな年の豊かな実りを願った。
この日の午後、下地昌明村長や神女職のツカサ、二才頭、宮古製糖の安村勇社長、多良間小・中学校の校長らは、ナガシガー、フダヤー、パイジュニ、アレーキの4祭場から招待された。
このうち最初に訪れたナガシガー祭場では、神への祈り儀式が古式にのっとって行われた。
下地村長は「村民が無病息災と五穀豊穣に恵まれ、良い年であった。お互いの健康と大豊作の喜びを分かち合ってください。最近は若者たちのUターンがあり、今後も若者たちが農業で生活できる農業振興に力を入れたい」と決意を新たにした。
安村社長は「日本で黒糖と言えば多良間黒糖。今後とも生産農家は品質・糖度の高いサトウキビを安定供給してほしい。増産することで香港への輸出回数も増える」と今後の生産に期待を寄せた。
参加者らは、赤カマボコや刺身などを腹いっぱい食べ大満足の表情を見せた。腹ごしらえの後、神歌を唱え、神酒の入った角皿で回し飲みした。神酒は、イモと米で製造した2種類。参加者らは立ち上がり、「ユノーレガ、ユノーレガ(豊年だよ、豊年だよ)、ヒヤ、ヤッカヤッカヤッカ」とはやし神酒を飲んだ。20回以上立ったり座ったりした。
スツウプナカは、1983年に村の無形民俗文化財に指定された。