宿泊予約キャンセル3000人超/入域観光客数落ち込む
4、5月は3割減 震災影響
宮古島への入域観光客数(速報値)が4月は2万1017人、5月は2万6448人で、前年同月に比べ約3割落ち込んでいることが、市観光商工局のまとめで分かった。イベントは順調で、他の条件に大きな変化が見られないことから、同局では東日本大震災の影響ではないかと分析している。
3月は3万506人で、前年同月に比べ3314人(12%)増加した。しかし、3月11日に発生した震災で、観光客数が大幅に減少した。4月は前年同月比8018人(27・6%)減、5月は同比9783人(27%)減となった。市内11の宿泊施設の予約キャンセル数も震災後1週間の3月18日時点で、約3000人を超えた。
ホテルアトールエメラルド宮古島宿泊部の川満正寛さんは「直前のキャンセルは料金が発生するため、この時期のキャンセルは4、5月の予約。それが影響している」と指摘する。
川満さんは「旅行代理店でこれまで東北地方の商品を担当してきた営業関係者も、現状では商品化にめどが立たないことから、関西以西の商品の販売をせざるを得ない状況もあり、8月ごろには回復するのではないか」と期待している。
宮古島観光協会の池間隆守専務理事は「震災の影響で落ち込んでいると思ってはいたが、これほどとは思わなかった」と述べた。日本トランスオーシャン航空(JTA)が、9月8日から26日までの期間限定で、関西空港-宮古空港間の直行便の運航を計画しており「夏場に向けて少しずつ回復に向かうのではないか」と期待を示した。
宮古島観光協会や観光関連企業などは、4月以降の入域客数の減少が予想されたことから、5月のゴールデンウイーク明けに名古屋、大阪などを中心に誘客キャラバンを展開した。
市観光商工局の奥原一秀局長は「4、5月は大震災の影響が大きかったことは否めない。持ち直してくれるよう誘客活動を強力に推進したい」と話した。