前浜無惨、高波で浸食/台風2号影響
長さ60㍍深さ1.7㍍
下地与那覇の前浜の一部が台風2号(5月28日襲来)の高波によって、えぐり取られている。前浜港の近くから西側に約60㍍の区間。砂の壁が、高い所では170㌢ほど切り立っている。関係者によると、浸食被害は十数年ぶりに発生した。
前浜の浸食問題は、1994年の台風13号と同16号によって砂浜がえぐられ、モクマオウ約65本が倒れた被害を機にクローズアップされた。
浸食の原因については、旧県宮古支庁が「台風が宮古島の西海上を通過した場合、来間大橋の方向から波が発生し、前浜の東側に浸食被害が起こる」と報告。
97年に宮古島の東海上から北西に進んだ台風13号の時は逆に砂が戻り、それ以来、砂の浸食と堆積は台風の進路によるとみられるようになった。
今回の台風2号は、宮古島の西側を通っており、報告の内容を裏付けた形だ。
浸食対策には、「前浜は圏域の宝」との観点から、関係機関一体となって取り組んできた。
1996年4月には、土のう壁で応急措置。これに引き続き同年、浜の後背部の砂流出を防止する板壁を設置し、砂で板を埋めた。今回の台風では、この板壁が露出するまでには至っていない。