腰原公民館の落成祝う/旧軍飛行場団体補償
七原、富名腰に続き/戦後処理一環事業が終了
1943(昭和18)年の宮古海軍飛行場建設に伴い腰原集落の土地一部が強制接収され、その解決策を戦後処理の一環として、市(下地敏彦市長)が平良下里で建設を進めていた腰原公民館がこのほど完成し11日、落成式典と祝賀会(主催・腰原自治会)が開かれた。県、市の関係者や住民らが旧公民館の約10倍の規模を誇る地域コミュニティー拠点を盛大に祝った。
飛行場建設(現宮古空港)の際には、腰原、七原、富名腰の3集落の土地が強制接収された。2001年、旧宮古海軍飛行場用地問題解決促進地主会が結成され、市や県を通して国に補償金を要請。その後、個人補償ではなく団体補償方式が取られ、宮古島特定地域コミュニティー再構築活性化事業が導入された。事業総額が4億9000万円余で、国が8割、県と市がそれぞれ1割負担した。
前年度に七原公民館と富名腰公民館は建設され、今回の腰原公民館と井戸2カ所、御嶽の一部整備が最後となった。
新腰原公民館は、鉄筋コンクリート平屋で延べ床面積約517平方㍍。屋根に10㌔㍗の太陽光発電設備を設置。板張りの多目的ホールは約200平方㍍あり、卓球やバドミントン、ソフトバレーボール、バスケットボール、ミニサッカーが可能。また施設内には、舞台や文化活動室、調理室などが設けられている。総事業費1億6490万円。
式典で仲井真弘多知事(代読)は「腰原公民館が地域活動の拠点として、地域の伝統や文化が継承されていくことを期待する」と祝辞。宮平清徳自治会長は「素晴らしい公民館が地域の子供から大人まで、みんなが親しく話し合える交流の場として、また明るい住み良い地域づくりの拠点として活用したい」と決意を新たにした。次いで下地市長(代読)、市議会の下地明議長(同)が祝辞を述べた。
引き続き祝賀会が開かれた。舞台では子供たちの踊りなど多彩な余興が披露され、盛り上がった。