800万円を増資再建へ/コーラル社
今月中に原料代完済/金融円滑化法も導入
第三セクターのコーラル・ベジタブル社(砂川佳一会長)は、資金繰りの悪化を受けて13日、同社で取締役会を開き①借金の返済延期を可能にする中小企業金融円滑化法の導入②増資-の2本立てで、再建を目指す方針を決めた。増資は約800万円を予定。同資金は、滞っている原料(アロエベラ、シマラッキョウ)代金に充て、今月中に支払いを済ませる。株は新株を発行する。砂川会長は「株は自らが責任を持って募る」と話した。
同社によると、2008年に沖縄公庫から借り入れた4000万円は、2400万円の元金を残し、今年1月から6カ月支払いが遅延。原料代金も720万円が昨年8月から10カ月滞るなど、同社の経営は危機に陥っている。
砂川会長はその理由に、①借金を借金して返す前経営における借金依存体質②販売不振-などを挙げた。
同社はアロエベラやマンゴージュース、皮をむいたアロエの生葉、冷凍ゴーヤーなどを本土に出荷。今後は再建に向け、新商品開発も含め、島内直販体制を強化する。
2010年9月から11年5月末まで9カ月間の売り上げは8200万円で、前期と比べ600万円(8・6%)の増収。赤字は440万円と、前期の1600万円より、1200万円圧縮された。
赤字幅圧縮の要因には①役員報酬をゼロにした②退職した4人の補充をしなかったなど、人件費の削減を挙げた。
砂川会長は、赤字幅の圧縮は経営再建に向けた明るい材料と評価。「近いうちの黒字転換は、可能。第三セクターのモデルになるような、健全な会社に再建したい」と意欲を見せた。