避難壕崖面が崩壊/台風2号被害
下地島「中の島」
大戦前、伊良部の住民が下地島西側の海岸絶壁の下を人力で掘ったとされる二つの避難壕の間の崖面が崩壊しているのが23日、確認された。住民らは「5月28日に宮古島を直撃した台風2号の大波に激しく連打され、崩壊した。台風前は原形を保っていた」と大波の破壊力に驚いた様子で話していた。
現場は、通称中の島と呼ばれる入り江状の右側海岸。露出岩盤から立ち上がる海岸絶壁の高さは4~5㍍。崩壊した崖面の長さは30㍍ほど。
崩壊前の二つの避難壕の入り口から奥までの長さは約8~10㍍。崖面の崩壊によって左側の避難壕の天井一部は落下し、東に向かって口が開いた形となっている。右側の避難壕は入り口の大部分が崩壊した。
崖面地質は、ナウサと呼ばれる軟質石灰岩。水が大量に浸透した場合、崖面が崩れる危険性が高いと指摘されている。十数年前に、池間島のカギンミ浜と呼ばれる海岸絶壁の一部が崩壊した。大型台風が通過した後に確認された。地質はナウサ。
5月28日は下地島空港で南東の風、最大瞬間風速49・4㍍を観測した。波の高さはうねりを伴う12㍍で、海は猛烈にしけていた。
伊良部地域づくり協議会の比嘉臣雄会長は「一週間前に現場を確認してびっくりした。台風2号による崩壊に間違いない」と説明。
その上で「中の島の海域は、シュノーケリングのポイント。本土から大勢の親子連れが訪れるので、早めに崩壊した現場近辺に立ち入り禁止の立て看板を設置したい」と安全対策に取り組む考えを示した。