太陽光・風力発電18%に/宮古島市
E3、EV車の普及に力点
6月は環境の大切さを知り守っていこうと設定された「環境月間」。宮古島では地球温暖化の原因とされるCO2の排出削減を目的にバイオエタノール生産や太陽光、風力発電など自然エネルギーの利用が本格化した。市は2050年のCO2排出量を03年と比べ70%削減する
目標を設定。その道程となるロードマップは、20年までに車両の燃料を全量E10にし、電気自動車(EV車)の割合を30年には40%に増やすアクションプランを示している。
宮古島市における自然エネルギーの発電能力は、太陽光約5000㌔㍗、風力4200㌔㍗の計約9200㌔㍗。宮古島で使われる電力5万㌔㍗に対する導入比率は18%に達した。
EV車は自然エネルギーの利用が可能なことから、究極のエコカーと呼ばれる。普及によるCO2削減効果の発現に向けては、自然エネ充電設備の整備強化が求められている。
市企画政策部エコアイランド推進課によると現在、市内でEV車は16台走行している。国産が13台、外国産が3台。数はわずかだが、このうちの10台は1年の間に導入されたとみられるなどエコカーブームの気配が出てきた。
今年3月にEV車を導入した丸筑タクシーによると、燃料費は同じ小型のガソリン車と比べ、6割程度節減できる。1回の充電による走行距離は約130㌔。1日に数回も行う充電に時間を要するのが難点だ。
特徴には①排気ガスを出さず環境に優しい②走行中に音が出ず快適③加速に優れる-なども挙げる。購入の際はクリーンエネルギー自動車導入補助金を利用でき、減税措置もある。
市は、中古車をEV車に改造する産業創出も視野に入れている。
りゅうせきバイオエタノール推進室によると、E3燃料車は1689台、E10車25台が走行している。E3車の内訳は公用車351台、企業の車両242台、レンタカー1085台、社用車11台。アクションプログラムでは、30年にE100車を10%にする目標も示している。
バイオエタノールの生産と利用は、地球温暖化対策と併せ、残さ物の肥料や飼料化を通した地域農業の振興や、バイオ資源の地域循環モデル確立を目的とする。
昨年3月に下地に完成した大規模プラントの1日当たり生産能力は5㌔㍑で、宮古の全車両3万5000台にE3を供給できる量。しかし、E3を給油できるガソリンスタンドはいまのところ4カ所と整備が進んでおらず、普及に向けては石油業界の協力が課題になっている。
E3 ガソリンにバイオエタノールを3%混ぜた燃料。宮古におけるバイオエタノールは、サトウキビの糖蜜を原料に生産している。