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社会・全般
2010年4月10日(土)18:09

進む児童数減少/市教委

「統廃合」視野に本格議論へ/5月に適正化検討委発足
 2010年度の小学校入学式が7、8日の両日に行われた。休校中の大神小をのぞく宮古島市のの小学校と多良間小には566人(宮古島市554人、多良間村人)が入学した。しかし、今年度の入学者数は過去最低で少子化の波は着実に進んでいることが数字として示された。児童数が減少の一途をたどる中、今後市教育委員会を中心に学校の統廃合を含めた規模適正化の議論が進められていくこととなっている。 
■新入学児童数
 宮古地区の入学児童数は、記録が残っている1983年から年までは、常に1000人台で推移してきたが、年に初めて1000人を割り込んだ。
 その後も減少し続け昨年、初めて500人台に突入し、今年も昨年に続き500人台となり、過去最低の入学者数となった。
 さらに宮原小と来間小の2校は今年4月の新入学児童はゼロとなった。
 
■国の学校規模標準
 国が学校規模の標準として学校教育法施行規則に定めている小中学校の学級数は「学級以上学級以下」。
 2009年度で、宮古地区の小学校のうちこの学級以上は平一、北、南、東、久松の5校。そのうち、学級以上の大規模校が平一と南。適正規模が北、東、久松の3校。学級を下回る小規模校(学級数6~)は9校となっている。
 さらに、過小規模校(学級数1~5)が休校中の大神を含め7校で残りの6校は来間、池間、宮原、狩俣、宮島、福嶺となっている。
 中学校は、校のうち平良と北の2校のみ学級を上回る適正規模で、校が小規模校(学級数3~)で休校中の大神のほか池間、来間が過小規模校(同1~2)となっている。
 国の適正規模でみると宮古島市のほとんどの学校が適正規模を下回り、小中学校の「過小規模校」は複式学級で授業が行われている。
 
■市教委の取り組み
 市教育委員会では学校の統廃合をも視野に入れた「学校規模適正化検討委員会」を今後発足させ、第1回目の会合を5月に予定している。
 委員会のメンバーは、過小規模校の校長のほか、保護者代表、地域代表などで構成し今年度は、学校規模適正化計画策定に向けた各方面の意見聴取やアンケートなどを予定しており、先進地の取り組みなどの調査を予定している。
 また、すでに学校規模適正化の特命を受けた担当職員も配置され、県内や他府県の学校統廃合の状況や課題などの分析を行っている。
 
■議 論 
 市教育委員会の川上哲也教育長は「今後設置する検討委で学校、地域の声を集約していきたい。規模適正化については子どもたちの立場を考えて取り組んでいく必要がある。統廃合も視野に入れてしっかり話し合っていきたい」と述べた。
 3月の市議会の当局答弁でもこの問題については「学校はさまざまな考えや体験を持つ子供たちが集団活動を通して切磋琢磨(せっさたくま)し学び会う場であることから、学習環境の面において一定の児童生徒数の確保は重要」との認識を示した上で「一方、地域の学校という面から学校の存在が地域に与える影響も大きいものがある」とし、メリットとデメリットを考慮し適正化を図るとしている。
 
 少子化とともに児童数が減るという現実がこの問題の基点。学校の統廃合の動きが現実味を帯びてくると地域からは反対の声が強まる。しかし、これからも確実に児童数は減少する中で、学校の統廃合についての議論は深めていく必要がある。
 この議論の最も重要な柱は、「子供たちにとってより良い学習環境とは」。
 過小規模、小規模校が子供たちにとってより良い教育、学習環境であれば統廃合すべきではない。しかし、一定の児童生徒数の確保が子供たちにとって良いのであれば統廃合を進める必要がある。
 この問題について今後、どのような議論が行われるか注目される。


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