行雲流水
2011年7月6日(水)23:15
宮古島(行雲流水)
宮古5市町村が合併し誕生することになる新市名に対して市民の声は大きく二分した。周知のとおり「宮古市」と「宮古島市」である。かつて時の首長やマスコミは住民大会など事あるごとに「宮古郡民は」と強調した
▼地理的には宮古島と称しても人為がからむとあるいは語呂がよくないのか「島」は消えて「宮古郡民」である。合併新市に「宮古市」を強く主張した面々の思いの底に見えたのはこの「島」に対する先入観だった
▼未来に羽ばたく5市町村合併の新市が小さく八方ふさがりの狭い「島」のイメージで表現されるのは芳しくない。他府県に出向く青少年にとっても「島出身」となると肩身が狭くなる等々…酒杯が回ると「宮古市」組は口角泡を飛ばして勢いづいた
▼ところが昨今島なるが故に「住むのにいい!」と宮古島をほめる声が増してきている。他府県からの移住市民は特に治安の良さを語る。「学校も役所も病院もスーパーもすべて20~30分の距離にあるし」と都市機能が整った利便性をも口にする
▼離島苦やへき地苦を深刻化させたのは情報や物流や収益性が際だって乏しく大都市住民が謳歌していた物豊かな生活から取り残されているとの格差意識だった
▼交通機関が発達し全国津々浦々遜色がない今日人や物の往来は著しい。その機運にのみこまれない宮古人こそが宮古島の未来をひらく。