「花の王国」づくり着々/市熱帯植物園
せせらぎ聞こえる庭園へ
市熱帯植物園のリニューアル事業が着々と進められている。宮古島市が計画している「宮古花の王国」づくりの柱で、園内に天然水が流れる水辺を創出し周辺には熱帯植物や花木などを植栽する。市民の憩いの場や新たな観光スポットとして注目を集めそうだ。完成予定は8月15日。施工は世界的な庭師として知られる石原和幸さんが手掛けている。
植物園は開園30年以上が経過し施設などが老朽化、花木や草花の彩りに対する対策も十分ではない状況だ。
このことから市は、宮古島を花と緑でいっぱいにする島づくり計画書を作成。植物園のリニューアル事業を柱に、宮古空港の緑化を図る「花の宮古空港整備」や「河津桜の花見公園整備」の各事業を盛り込んだ。
植物園のリニューアル事業は石原和幸デザイン研究所が施工。石原さんは英国の国際ガーデニングショー「チェルシーフラワーショー」で3年連続ゴールドメダルを受賞するなど、世界的な庭師として活躍している。
市によると、植物園正面入り口の東側広場に庭園を創出する。高台から水を流し、円形の池で受け止め循環させる。
周辺には、ブーゲンビリアやハイビスカスなどの花木を植え、せせらぎを聞きながら庭園が眺められるよう設計されている。
市では台風に強い花木などを選定し植栽。常時スペースや植え替えスペースを配置し年間を通して四季折々の花が咲く空間を創出したい考えだ。花木が立ち並ぶ遊歩道の整備も構想している。
下地敏彦市長は「穏やかな生活空間をつくりたかった。島の至る所に花が咲けば、ごみのポイ捨ても少なくなる。花の王国事業を核に、市民らが花木や花の苗木を自主的に植栽し、それこそ宮古島が花と緑でいっぱいになればありがたい」と話した。
植物園内にある体験工芸村や近くにある市総合博物館への波及効果も期待されている。
事業費は3000万円。2010年度国の「きめ細かな交付金」を充てた繰越事業。