去る３月11日の大地震大津波による東京電力福島第一原発の事故。その事故が引き起こした放射能汚染。両者は福島県の当該地区住民の生活を根こそぎ破壊したばかりか全国各地においても深刻な社会的連鎖の被害をもたらしている

▼放射能汚染牛が見つかればその地の全ての牛の移動や牛肉は出荷停止。放射能専門家が科学的根拠を示して食の安全を訴えてもわが子の将来を危惧する親や消費者の不安は消えず牛肉は食しない

▼その地の牛肉をブランド食材として成り立っていた福島県とは遠距離の関東以西の焼き肉店やレストラン等までが肉不足や風評被害で商売は不振。経営難に陥っている。閉店を余儀なくされた経営者も少なくないと聞く

▼壊滅的惨状をさらし続けている東電第一原発。その稼働不能によって起きている供給電力の総量不足に受給ひっぱくを想定してか政府は％の「計画節電」を指示したが…

▼節電は「停電」となり生産現場はラインの一部操業を停止。設備は健全でも生産数量は落ちこんで収益はいちじるしく減少。従業員の一時解雇で耐えしのぐ中小企業は将来が見通せない「計画停電」に活力を失いつつある

▼これら被害の連鎖に対する支援策など政治の動きは鈍い。内閣支持率12・５％の俎上の魚の菅総理の反応はさらに鈍い。ある人いわく「これが見えぬか！と国民の〝印籠〟をかざしたい」と。