キビ葉裂傷で被害額6300万円/台風9号
塩害、今後拡大の懸念
県宮古農林水産振興センターは6日午後、台風9号接近に伴う宮古地区の被害状況をまとめた。農林水産物ではサトウキビで6300万円の被害があった。ただ、この金額には塩害が含まれていないため、今後の天候次第では被害の拡大が懸念される。このほかオクラで33万円の被害。けが人など人的被害はなかった。
県、宮古島市、製糖工場が6日、合同で農林水産物の被害調査を実施した。サトウキビ畑を中心にマンゴー農園、露地栽培のオクラ圃場などを回った。
サトウキビの主な被害は葉の裂傷。強風の影響で葉が裂ける被害が部分的に発生しているが、折損などの被害報告はない。
ただ、今後の塩害が懸念される。宮古島地方では6日も強い風が吹いたが、同日の降水量は午後7時現在で平良30・5㍉、城辺は26㍉だった。4日の降り始めからの降水量は城辺で110㍉、平良で92㍉を観測するなど干ばつ気味の圃場を潤したが、塩害を解消するには至っていない。
市農政課は「塩害を解消するほどの雨は降っていないと考えている。台風通過後の雨が最も大切で、今後2~3日降らなければ塩害は拡大する」と見る。伊良部支所農林水産室も「台風による雨で、干ばつは解消に向かうと思うが、塩害に関しては雨が足りない」と危機感を強めている。
製糖工場も干ばつ気味の圃場を潤す雨が降ったとした上で「塩害解消に向けてはもっと雨がほしい」などとしている。
生産農家は6日、塩害を懸念してスプリンクラーなどを活用して灌水、除塩の作業を行った。
サトウキビのほかオクラで被害が発生したが、マンゴーの被害はほとんどないものとみられる。8~9割が出荷を終えているため影響は少なかった。