池間島・与那覇湾を国指定保護区に
那覇自然環境事務所が公聴会
環境省那覇自然環境事務所(植田明浩所長)は10日、与那覇湾と池間島を国設の鳥獣保護区指定に向け、利害関係機関の代表から公述人として意見の陳述を求める公聴会を市中央公民館で開催した。県、市、観光協会や漁協の組合長らが出席し両地区の指定に向け意見を述べた。与那覇、池間島共に反対意見はなく、今年11月の指定に向け環境省が手続きを進める。公聴会で国の鳥獣保護区指定に公述人が全員賛成したことから、2012年に与那覇湾のラムサール条約登録に向け大きく前進した。
公述人は国の保護区指定に「与那覇湾は渡り鳥の重要な中継地点で、鳥獣保護を一層推進するためにも賛成」「池間湿原は県内最大の淡水湿地。多くの渡り鳥が来ているので保護を図り学習の場としても活用できる」など両地区の指定に向けてそれぞれが賛成意見を述べた。
環境省が2012年5月にルーマニアのブカレストで予定されているラムサール条約締約国会議で、与那覇湾のラムサール条約湿地登録を目指している。同条約に登録するためには県指定の鳥獣保護区から国指定に移管し、同保護区内に「特別保護地区」を設置する必要がある。この特別保護地区が登録対象になる。
国指定与那覇湾鳥獣保護区の広さは1366㌶でこのうち特別保護区704㌶を設置する。期間は11年11月1日から20年間。与那覇湾でこれまでに確認された鳥類は128種。
国指定池間島鳥獣保護区は湿原の水面8㌶を含む島全域の282㌶。存続期間は与那覇湾同様11月1日から31年10月31日までの20年間。池間島で鳥類は201種、哺乳類はジャコウネズミとクマネズミの2種が確認されている。
那覇自然環境事務所はこの日の公聴会調書を環境省に提出する。その後今年秋に開かれる同省中央環境審議会に諮問し、指定すべきとの答申が出れば11月1日から両地区が保護区に指定される。国指定の鳥獣保護区は全国で77カ所。