きょう旧盆入り
空港は帰省客で混雑
先祖の霊を迎えて供養する年中行事の旧盆が、きょう12日から始まる。宮古では「ストゥガツ」と呼び、旧暦の7月13~15日の3日間行う。旧盆入りを控えた11日、市内のスーパーや市公設市場は仏壇に供える果物や料理の材料を買う人で混雑した。旧盆里帰りの客を乗せた空の便は、全便満席となった。
スーパー
スーパーには神様(祖霊)の杖とされるサトウキビや、箸代わりのソーローグサ、花、ナシやスイカ、バナナ、リンゴ、パイナップルなどが豊富にそろい、飛ぶように売れた。
50代女性の買い物かごは、果物や肉、野菜などでいっぱいになった。「旧盆には、20人くらいの親せきが焼香に来る。皆さんの元気な姿を見ると安心する」と笑顔。「仏壇には先祖が好きだったステーキや豚肉の煮付けから朝、昼、晩の食事、10時や3時のおやつまで供える。精一杯供養している」と話した。
公設市場
市公設市場は、完成後初めて旧盆を迎えた。青空市には季節の味覚マンゴーがずらり。精肉店や地元産の魚を扱う鮮魚店などが盛況となった。
精肉店では、旧盆定番料理の煮付けにする豚肉が、通常の日の4倍も売れた。同店の店主は「建物が新しくなり、若い客が増えた」と新築の効果を話した。
花や野菜、豚肉を買った代の女性は「市場の品物は、どれもが地元産で新鮮な感じがする。おばさんたちと会話できるのも楽しい」と満足そうだった。
旧盆の初日は「ンカイ」といい夕方、果物や料理を供えて神様を迎える。2日目が「ナカビ」、3日目は「ウフイユー」と称し、夜遅くに神様を送る。焼香する人は、「ナカビ」に集中するという。
空港
宮古空港も11日、お盆を古里で過ごす帰省客で混雑した。到着ロビーではお土産の入った手荷物を待つ乗客らも多く、出迎えた親戚らと久々に再開し、笑顔で実家に向かう姿が見られた。
2年ぶりに里帰りした砂川栄良さん(62)=南城市=は「甥や姪に久しぶりに会える。親族とつもる話をするのがこのうえない楽しみ。先祖が好きだったサータアンダギーをお土産に持ってきた」と楽しそうに話した。
7歳と2歳の娘2人と帰省した阿部美香子さん(37)=那覇市=は「子どもたちも朝早く起きて自分たちの支度をするなど里帰りをとても楽しみにしていた。今回は実家(伊良部長浜)に2週間ほど滞在する」と迎えに来ていた母親と実家に向かった。
日本トランスオーシャン航空(JTA)、全日本空輸(ANA)共に那覇発宮古行きの便は13日まで全便満席。上りのピークはJTA、ANA共に15日。JTAは同日の混雑に対応するため宮古発那覇行きを1便増便する予定。