統合しても小規模校に/学校規模適正化
課題の「複式学級」は解消
市教育委員会がまとめた「市立学校長期計画」によると、同委員会が学校規模適正化に伴い統合を計画している各学校の児童数は軒並み大幅減少が見込まれていることが分かった。こうした状況から統合しても統合校は適正規模校とはならず、すべて小規模校となる見込みだ。一方で統合の最大の理由となっている複式学級については解消し、統合校の一部は1学年複数学級となることも見込まれている。
同委員会のまとめでは、今年5月1日現在の児童生徒数と小学校は2017年度の児童数、中学校は2023年度の児童数を予想している。
統合が計画されている小学校の14校のうち、17年度に児童数の増加を見込んでいるのは鏡原(38人増)の1校のみ、増減なしは福嶺と西城の2校。そのほかの11校はすべて減少となっている。
減少幅が大きいのは、砂川(37人減)と佐良浜(36人減)、西辺(同)。特に、西辺は現在の66人から半分以下の30人を予想している。
中学校は統合予定11校中、増加は西城(5人増)と池間(1人増)の2校。そのほかの9校はすべて減少となっている。
減少数では、下地の43人減が最も多く、次いで砂川の38人、西辺の32人、佐良浜の26人などとなっている。
特に西辺は小学校同様に、大幅減となり現在の45人から3分の1以下の13人を予想。砂川も現在の68人から半数以上の38人減って30人を見込んでいる。
国が学校規模の標準として、学校教育法施行規則に定めている小中学校の学級数は「12学級以上18学級以下」。
児童生徒数の減少が予想される中、統合した小、中学校とも学校規模は適正規模とはならず、すべて小規模校となる見込み。
一方で、市教委が統合の理由としている「複式学級」については解消されるほか、統合した一部の学校では児童数が確保され、1学年複数学級の設置も見込まれている。
宮古全体の児童、生徒数が減少する中で、統合が計画されている学区周辺の減少は一層深刻な状況となっている。
今月31日から、市教委の小中学校統合計画についての住民説明会もスタートする。
児童生徒数が減少傾向にあることは理解しつつも、学校存続を求める地域住民の思いは強い。
学校規模適正化検討委員会の答申内容を一部見直し、存続を求める声が強かった小学校も中学校と同時並行で統合計画を進めるとした市教委の説明に各地域の住民がどのような見解を示すのか注目となっている。