不法投棄ごみ量8310㌧/宮古地区10年度
「県全体の7割占める」
宮古福祉保健所管内の廃棄物不法処理防止ネットワーク会議が24日、同所で開かれた。2010年度の不法投棄の実態が示され、宮古地区の不法投棄ごみの重量は8310㌧だった。前年度の1万4877㌧より減少しているが、同所担当課では「県全体の不法投棄の6~7割を占めると予想している」とし、宮古地区における不法投棄の多さを指摘した。生活から出るごみを含む一般廃棄物が全体の6割を占めており、市民のモラルが問われている。
10年度に宮古地区で確認された不法投棄は36件。重量8310㌧のうち産業廃棄物は3095㌧、一般廃棄物は5215㌧あった。
一般ごみが多い点について同所担当課は「一般ごみが目立つ以上、地域住民の意識改革が必要。一般市民がごみを捨てて、それを行政が拾うという仕組みを繰り返すだけでは不法投棄はなくならない」とし、各地域におけるモラル向上の重要性を指摘した。
仲宗根正所長も「宮古地区の不法投棄は県内で大きな比率を占めており、深刻な問題。ごみの種類を見ると他地区に比べて一般廃棄物が多く、市民への啓発活動が重要になる。関係機関と連携して進めていくことが大切」と話し、出席者に理解と協力を求めた。
会議ではこのほか、今年度実施したパトロールの実施報告があった。複数の不法投棄現場が示され、比較的新しいごみが多いことが報告された。5月末に接近した台風通過後に発生したごみの投棄が疑われる事案なども指摘。投棄ごみの中で投棄者の特定につながる資料を警察に引き渡したという報告もあった。
そのほか、県内におけるごみの不適正処理事案や廃家電を含む不法投棄防止対策についても確認。活発な意見を交わし、不法投棄防止活動の充実を図った。
この会議は廃棄物の不適正処理の防止およびこれらの事犯に迅速かつ的確に対応し、生活環境の保全や公衆衛生の向上に資することを狙いに設置された。保健所、市、多良間村をはじめ警察、消防、海上保安署などで構成している。