「島の魅力、もっと発信を」/作家の莫邦富さん来島
ビジネス視察誘致など提言
石垣と宮古の視察を行った日本在住の中国人ジャーナリストで作家の莫邦富(モー・バンフ)さんが25日、市役所平良庁舎に下地敏彦市長を表敬訪問した。中国人観光客の誘客に向け、地元にとっては普通のことでも中国人が魅力を感じる部分や価値観の違いについて紹介し、観光に来る側の意向を理解した上でもっと島の魅力について情報発信することを呼び掛けた。
宮古島の魅力について莫さんは、宮古島側がアピールしている島の魅力と中国から観光に来る観光客の価値観とでは大きな違いがあること指摘。「例えば、宮古島の人にとって海に沈む夕日は当たり前の光景だが、ほとんどの中国人が海に沈む夕日を見たことがない。さらに、東平安名﨑では太平洋と東シナ海を一緒に見ることができる。これも中国人からすれば驚きであり、こうした魅力をもっと前面に押し出してほしい」と述べた。
そのほか、現在の中国では環境問題が大きな課題となって環境保全について意識が高まっていることも紹介。
「宮古島のエコの取り組みは多くの中国人が興味を持つと思う。個人観光客だけでなく、ビジネス視察客を誘致しても良いと思う」と述べた。
下地市長は「指摘してもらった課題や意見を参考に、多くの中国人観光客を呼び込めるよう取り組んでいきたい」と述べた。
莫さんは、中国上海市生まれ。上海外国語大学日本語学科卒業後、同大学講師を経て、1985年に来日。95年に莫邦富事務所を設立した。現代中国の問題や日中関係について日本のメディアで積極的に発言しているほか、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させたことでも知られる。