糸づくりの技術を紹介/市総合博物館企画展
継承者が実演会/久米島紬、苧麻績み
市総合博物館(奥平徳松館長)の第18回企画展「宮古上布、琉球絣(かすり)、久米島紬(つむぎ)」の関連講座「久米島紬の糸紡ぎ・苧麻績み実演会」が27日、同博物館研修室で行われた。会場には朝から織物に興味のある市民や観光客らが訪れ、宮古島と久米島で受け継がれてきた糸づくりの技術と歴史を体感した。
久米島紬の糸紡ぎは、久米島紬保持団体会員の桃原禎子さんを講師に招いて糸づくりの製作方法を紹介。
訪れた人たちは、桃原さんの指先からどんどん細い糸が出来上がる技術に真剣な表情で見入っていた。
宮古上布の苧麻績みは、同保存会の神里佐千子さん、下地ヨシさん、砂川照子さんが糸づくりを実演した。
両方の糸づくりの製作方法を興味津々の様子で見入っていた女性は「宮古上布、久米島紬とも年配の人たちが後継者育成に一生懸命に取り組んでいることが分かってうれしく感じたし、自分も何か手伝いたいと思う気持ちになった。久米島、宮古ともそれぞれ違う技術なのでそれを学べるこの企画は良いと思う」と感想を述べた。
今回の企画展は、久米島博物館、南風原町文化センターとの3館合同企画展として実施。宮古での開催は来月4日まで。
きょう28日には宮古上布の関連施設の見学を予定している。
企画展開催中の館内には、宮古上布着尺8点、同着物2点、同小物13点のほか、琉球絣着尺1点、同着物4点。南風原花織着尺2点、同着物2点。久米島紬着尺5点、同着物2点の合計39点が展示され、宮古上布の「苧麻白地経緯絣衣装」も初めて展示されている。
南風原での開催は11月10日~同27日まで。久米島での開催は来年2月3日~同26日までとなっている。