77歳で新人賞に合格/初挑戦の上里恵光さん
琉球古典芸能コンクール
第46回琉球古典芸能コンクール(主催・琉球新報社)がこのほど行われ、三線・野村流新人部門に初挑戦した上里恵光さん(77)=城辺下里添=が見事合格し、宮古で古典芸能で活躍する関係者らから祝福を受けている。上里さんは「舞台姿を孫たちに見せるために参加した。孫たちが一番喜んでいたのでうれしかった」と話した。
コンクールは、琉球古典芸能の保存・継承と後継者養成が目的。166人が受験し、120人が合格した。合格率72・3%。
上里さんは、今年で三線歴50年。20代の時、自宅向かいの家で大人数人が毎日のように歌・三線で「かぎやで風節」や「恩納節」などを響かせていた。それに感動したのがきっかけで、三線の世界に入った。
上里さんは「戦後『三味線工工四上巻』の本を手に入れ、夜は石油ランプの下で工工四を見ながら三線を弾いた」と懐かしむ。
昨年8月、野村流伝統音楽協会与那覇寛仁研究所に入門。今年2月、同協会波平重夫研究所に指導が委任され、門下生として再出発した。
コンクールでは課題曲の一つ「伊野波節」を三線の伴奏に合わせて伸び伸びと歌い上げた。
上里さんは「合格者が紙に張り出された時、自分の名前を見つけ『やった』と歓声を上げた。3年後には優秀部門にチャレンジしたい」と意欲を見せた。
波平教師は「人生の大先輩が初挑戦で新人賞に合格したのは、すごい。さらなる精進に期待する」とたたえた。