鏡原馬場跡審判台の保存を/市指定文化財
地元が教育長に要望
鏡原地区の自治会長と鏡原小・中学校の校長、PTA会長の10人は連名で、市指定文化財である鏡原馬場跡にある審判台について、市教育委員会に現状保存を要望。代表して七原自治会の西里明男会長が30日、市役所城辺庁舎に川上哲也教育長を訪ね、要望書を手渡した。
鏡原馬場は、1894年3月、人頭税廃止を政府、国会へ請願するため上京していた中村十作らが廃止の確約を得て帰島した際、出迎えた農民らが漲水港から踊ってきて盛大な祝宴と競馬、クイチャーなどを催し宿願達成の喜びを分かち合った場所とされている。年2月、当時の平良市から市の文化財に指定された。
現在は、跡地の一角に審判台の石組みが残されているが、そこは私有地で地権者が審判台の移設を市に要望している。それを知った地盛、七原、山中、盛加、細竹、野原越の6自治会の会長と鏡原小学校と中学校の校長、両校PTA会長の計10人は、現状のまま保存するよう求める要望書を作成。西里会長が川上教育長を訪ね、「古くから地域住民に親しまれた文化遺産であり、数少ない地域の生きた歴史教材。現状保存を検討して下さい」と要望書を手渡した。
川上教育長は「保存、継承したいという思いは分かる。文化財保護審議会で協議しているところなので、要望を伝え前向きに検討したい」との考えを示した。
鏡原馬場跡の審判台については、地権者からの要望を受け、市では6月に開いた文化財保護審議会で対応を協議。近くに移転させるか、現状のままの保存に地権者の理解を得ることができないかなど意見を交わした。次回、審議会は9月下旬開催を予定していて、教育委員会では早めに結論を出したい考えを示している。