学校統合に地元民猛反発/城辺学区説明会
市教委「複式解消に理解を」
市教育委員会(宮国博委員長)の「学校統合基本方針説明会」が8月31日夜、城辺学区の住民を対象に城辺公民館で開催された。住民からは「複式学級にもメリットはある」「それぞれの学校には長い歴史がある。市教委が上から目線で決めるな」「地域の反対の声を無視するな」など、統合計画に対し反発の意見が相次いだ。これに対して宮国委員長は「あくまでも子どもたちの教育環境ということに絞って、複式学級を解消するために理解を求めている」と、これまでの主張を繰り返した。
同委員会が決定した城辺地区における小学校統合の基本方針は16年度までに同地区の4校(福嶺、城辺、西城、砂川)を1校に統合する。中学校も同様に進める計画。
説明会の会場には、城辺学区の住民や校長など学校関係者、市議会議員、県議会議員のほか、他の学区の住民なども詰め掛け、市教委の統合計画の説明に不満の声を上げた。
「学校統合について下地敏彦市長から市教委の委員に命令、指示はあるのか」の質問には、出席した委員4人とも「そのような指示、命令はなかった」と述べた。
また、この統合計画について、市議会への議案上程時期について危ぐする意見が出され、宮国委員長は「地域説明会の途中であり、まだまだ多くの作業が残っている。市長部局もこのような状況で上程の作業には入らない」と明言した。
そのほか、住民からは「農村、地域切り捨ての行政だ」「学校で生活する子どもたちの意見をもっと聞いてほしい。みんな統合に反対している」「学校が無くなれば地域の発展は見込めない」など「学校統合」に対して反対意見が相次いだ。
「複式学級」について、委員からは「実際に複式学級の現場を視察して、やはり一定の人数の中で教育する必要があると感じた」との見解が示された。
「学校と地域の発展」については「地域の発展は教育の場面で議論するのではなく、行政の担当部署で進められる議論。教育委員会では踏み込めない」などと回答した。
出席した住民の一人は「説明される材料が調っていないし、『なぜ統合なのか』との理由もはっきりしない。このような説明会では私たち地域の人間はとても理解できないし、今のままでは議論もかみ合わない」と、説明会の在り方に苦言を呈した。
説明会は約3時間行われ、住民から出る意見はすべて統合反対の意見だった。