SKY新規参入引き金/宮古-那覇線
住民歓迎、観光客増に期待
格安航空運賃の航空会社スカイマーク(SKY)の宮古-那覇線新規参入によって、同路線に就航する航空4社は運賃の価格競争を展開した。各社の最安運賃は、スカイマーク参入前の半値ないし、それ以下の料金になった。住民は激安運賃を歓迎する。ホテルなど観光関連業者は、入域客の増加に期待している。
各社の10月の最安片道運賃は、日本トランスオーシャン航空(JTA)と全日本空輸(ANA)が3600円(45日前までに購入)。SKYは、2800円(21日前までに購入)に設定している。JTAとANAの、これまでの最安運賃は7200円だった。
市内に住む男性は「航空運賃の値下げは、住民にとっては歓迎。これだけ安くなれば、那覇で模合をしたり、週末に那覇に出掛ける家族連れも増えるのでは」と話した。
市内のあるホテルの9月の客室予約は25日までは満室。10、11月は例年より1割程度増えており、「運賃の競争が少し影響しているのでは」と分析する。同ホテルの支配人は「航空会社は今後、航空機を利用する観光客を増やすために、ホテルにも値下げを要望してくると思う。今後は、いかに客を増やすかが課題。航空会社と一緒に観光客増加に努めたい」と話した。
宮古島東急リゾートの佐藤友康総支配人は「輸送力が強化され、運賃が安くなることは、観光客を増やす大きな要因になる」と期待。運賃低減は、特にリピート客の増加につながるとし、そのためのサービス強化に力を注ぐ考えだ。
ANAによると、観光客が多くを占める宮古-那覇線は、早めの購入で安くなる割引運賃の利用者が多いのが特徴。スーパー旅割(3600円、45日前まで購入)の販売にさほどの減少がないため、「(スカイマーク就航の影響は)予想していたほどではない」と話した。同路線に、普通運賃(大人1万7500円)をよく使うビジネス客は少ないという。
宮古-那覇間には1967年にJTAの前身である南西航空が就航した。1993年には、2社乗り入れの基準が「1路線70万人以上から50万人以上」に緩和されたことによりエアーニッポンの乗り入れが実現。1997年には同制限が撤廃され、各路線への新規参入が自由化された。スカイマークの参入により、宮古-那覇線はJTA、琉球エアーコミューター(RAC)、ANAと合わせ4社が乗り入れる形となった。