市商業地、3.1%下落/11年県地価調査
県内市部では最下落率
【那覇支社】県企画部(川上好久部長)は20日、国土交通省が都道府県地価の状況を発表したのに伴い、2011年県地価調査(7月1日時点)の結果について発表した。宮古島市の地価は住宅地、商業地のいずれも下落しており、商業地は県内市の中で最も下落率が大きく、前年を3・1%下回った。商業地基準地2地点の標準価格平均は1平方㍍当たり7万1100円だった。市内商業地の最高額は平良字西里根間246番のサーティーワンアイスクリーム(筑登之屋)で、1平方㍍当たり8万9000円。93年のピーク時1平方㍍当たり28万円を境に下落し続けている。
宮古島市の住宅地基準地最高額は平良字西仲宗根染地112番1で、1平方㍍当たり3万500円。商業地同様、前年から1・9%下落した。市内住宅地の基準11地点の平均価格は9500円で、平均変動率は前年を0・7%下回っている。
また、多良間村では基準2地点の平均額で1平方㍍当たり7000円。平均変動率は前年を2・4%下回っており、下落率は伊江村、八重瀬町に次いで3番目に大きい。
県内の地価は住宅地で13年連続、商業地で20年連続して下落した。全用途の平均で1・4%下落し、18年連続で下落している状況だ。
要因として県内景況は消費関連が一部底堅く推移しているものの、建設関連、観光関連の厳しさが影響し、とりわけ東日本大震災の影響が加わり依然、景気低迷による不動産市況の低迷が続いている状況。住宅地、商業地いずれも下落幅は前年に比較して、わずかに縮小した。
県全体で見ると、住宅地の下落率は1・2%で、下落幅は前年と横ばいの値。景気低迷に伴うリゾート関連投資の減少や雇用不安による住宅需要の減退、宅地の同一需給圏内の埋立、区画整理事業などによる影響で、既成住宅地域の市場性が低下している状態だ。
また、商業地は景気低迷による商業用不動産などの投資需要やオフィス、店舗の賃貸需要が低迷したほか、郊外型大型店舗の出店により、既成商業地の空洞化が進み、不動産市況に影響を与えているものと分析している。県地価調査代表幹事の宇久信正氏(不動産鑑定士)によれば、県内地価は年のリーマンショックで大幅下落から緩やかな回復の兆しにあったが、震災発生によって再び先行き不透明になったという。
県内地価の最高額は21年連続で那覇市松山1丁目1番4の那覇共同ビル。1平方㍍当たり56万円だった。