電柱に海抜表示へ/津波対策で沖電提供
【那覇支社】沖縄電力(石嶺伝一郎社長)は20日、県庁で会見し、同社の所有する電柱に海抜が表示できるシートを貼り付けるためのスペースを無償提供すると発表した。同社は同表示スペースの提供について県、市町村から要請を受けていた。無償提供は県内全市町村を対象にする。
東日本大震災の巨大津波発生の教訓から、県内各自治体では地域防災計画の中で、津波を想定した避難経路の形成や、現在地の海抜を表示するなどの対策強化策見直しが求められている。
同社の所有する電柱は離島を含む県内で約21万本あるという。海抜表示シートのサイズは縦60㌢、横40㌢以下で、取付位置は路面上部120㌢から180㌢に規定し、電柱の同スペース部分を提供する。
会見した同社防災室の島袋清人室長は「ライフライン事業者として、先の大震災の甚大な被害状況を踏まえ、防災意識の高揚と災害に強い設備の構築、復旧作業に対応できる総合体制の強化を図っている」として、無償提供の趣旨を説明した。
宮古島市、多良間村については同社宮古支店で申請を受け付ける。県によると、市町村ごとに海抜シートを製作した場合、景観などの統一性が取れなくなるため、市町村から県規格での統一を求める声があるという。同社では21日から市町村申請の受け付けを開始した。