親子連れが航空行政学ぶ/空の日で空港内見学
市消防空港出張所で耐火服試着も
一般の人たちに航空行政などを知ってもらおうと空の旬間にちなんだ空港内一周バスツアー(「空の日・空の旬間」実行委員会主催)が23日、宮古空港内で行われた。親子連れ90人が2回に分けて市消防本部空港出張所や滑走路周辺の航空保安施設、気象観測器などを見学し説明を受けた。毎回参加しているという藤田充代さん(37)は「飛行機が好きだし、普段は入れない所なので、子供たちに見せたいと思い今年も参加した」と話した。
空港消防署では配備されている消防車両3台の運転席に子供たちが乗りその高さなどを実感した。参加者は2台の消防車の放水を見学したほか、消火活動の際に着用する耐火服を試着した。
平良花鈴さん(南小6年)は「耐火服は重いし、暑かった。普段は見られないものがたくさん見られて楽しかった」と感想を述べた。
また、家族5人でツアーに参加した殿村文彦さん(35)は「いつもは旅行などで機内からしか見られないので楽しかった。管制用の灯火も多いし思ったよりも広いと感じた」と話した。
消防空港出張所の平良敏彦所長が「空港に配備されている消防車の役割は初期消火が中心」と話し、現在3台ある消防車は水での消火のほか、薬剤で酸素を遮断する窒息消火を並行して行うことなどを説明した。
市空港管理事務所の洲鎌秀彦さんが「宮古空港は一日に52便の離発着がある。現在宮古空港で働いている人数は約400人。きょうの見学で、将来は空港で働いてみたいと思ってもらえればうれしい」と話した。
航空保安施設について大阪航空局宮古空港監視レーダー事務所の宮里徹次長が、滑走路の南側に設置されている施設で航空機が着陸する際に進入コースを導くローカライザーの役割などを話した。
那覇航空測候所宮古空港出張所の長濱和幸技官は風向風速計や雲の高さを測る雲底高度測定器などの説明をした。
「空の日」の起源は1940年の「航空日」にさかのぼる。第2次大戦後は航空活動禁止のため一時中断した。53年に復活し、92年に民間航空再開40周年を記念して「空の日」に改称された。航空行政などに理解を深めてもらうことを目的に運輸省(現国土交通省)が9月20日の「空の日」から30日までを「空の旬間」と定めた。