航空野そ防除始まる/病害虫対策協
初日は上野で1700㌔を散布
宮古地区病害虫対策協議会の航空野そ(野ネズミ)防除が24日、上野地区で始まった。ヘリコプターを使用し、初日は薬剤「ヤソヂオン」1700㌔を空中から散布した。航空防除は来月1日まで。宮古本島全域で約9㌧を散布し、主にサトウキビを食害する野ネズミを駆除する。
航空防除は毎年行われており、今年は畑や原野の約6000㌶に散布する。事業費は約2000万円。
使用する薬剤は5㌢四方の袋に入っており、野ネズミは臭いに誘われて薬剤を食し、死亡するという。
防除作業は午前9時ごろスタート。同協議会を構成する宮古島市、県、製糖工場、JAなど農業関係機関の職員約20人が参加した。
市上野陸上競技場でヘリコプターに薬剤を積み込む班と、上野の各地域で原野や圃場以外に落ちた薬剤を回収して回る班に分けて作業を開始した。
同協議会は、1967~74年の大規模な野そ被害を起こさないために航空防除を実施。散布するヤソヂオンの成分には「ダイファシノン」が0・005%配合されているとし、その安全性については「ネズミに対しては殺そ効果がある」とした上で、人、鳥、猫、家畜などは「繰り返し、大量に窃取しなければ安全」などとしている。
環境への影響では成分のダイファシノンが水に溶けないことから「無害な物質に分解され、地下水に影響はない」としている。
ただ、一部市民団体は薬剤の空中散布を中止するよう要請を続けている。ヘリコプターの使用でかかる高額な経費の削減および薬剤の適量散布による環境保全を訴えている。
航空野そ防除の今後の日程は、あす26日に下地地区で実施、28日は城辺、31日は城辺と平良、来月1日は平良のみで行われる。