池城さん現役で筑波大合格/宮古総合実業高校
同校からは初の快挙
宮古総合実業高校の環境工学科3年の池城ひかりさんがこのほど、国立大学法人筑波大学の生命環境学群生物資源学類に合格し、24日に同校で報告会が行われた。同校から現役での同大学合格は初めて。池城さんは環境班の班長を務め、地下水保全の研究や各種活動が高く評価された。環境班からの国立大学合格は2年前の琉球大学農学部以来2人目。
合格の報告を行った池城さんは「筑波大学に受験すると決めてから、いろいろな人に支えられて合格することができた。本当にうれしい。3年間挑戦してきた研究を大切にして大学ではさらに幅広いことに挑戦し将来は教師として頑張りたい」と感想を述べた。
今回の合格は、同大学のアドミッションセンター(AC)入試を池城さんが受験し、一次試験の難関を突破して今月5日に行われた2次試験を経て20日に合格発表が行われた。
同入試は、問題意識を持って自ら学び、考え、より良く問題を解決する資質や能力を持った活動的な人材を書類選考と面接・口述試験によって多面的、総合的に評価する自己推薦型の入試。
合格の報告を受けた下地廣治校長は「小さな島の学校からでも頑張ればすごい大学に入学することができることを証明してくれた。池城さんは3年間、学校活動と環境班に所属して頑張ってきた。その取り組みが評価されたと思う。この合格は本校の生徒だけでなく職員にも大きな励みになった」と喜んだ。
また、担任で環境班顧問の前里和洋教諭も「池城さんは入学後すぐに環境班の一員として一生懸命に地下水保全などの研究、活動に取り組んできた。班長としてもさまざまな活動に取り組んでくじけずに日々努力してきたことが評価されたと思う。本当にうれしい」と述べた。
同校によると、統合前の宮古農林高校、宮古水産高校、翔南高校を含めても現役での筑波大学合格は今回が初めて。
同校環境班の研究テーマは「小さな宮古島の100年後の『命の水』と『食』を守るプロジェクト」。サトウキビ収穫後の畑に日本そばを植えて、地下水汚染の原因とされる残留窒素を吸収させる研究を10年来続けている。
この研究は、地下水保全と食料を自給する試みとして、サトウキビ栽培の空白期に日本そばを無肥料で栽培し、地下水中の科学肥料による汚染物質(硝酸態窒素)の吸収、低減を図っている。