「各産業結ぶ仕組みを」
観光テーマに経営者セミナー
人とホスピタリティ研究所の高野登代表と沖縄観光コンベンションビューローの安里繁信会長を講師に、観光関連の経営者セミナー(主催・県、同ビューロー)が2日、市内のホテルで開催された。テーマは「リーダーが変われば組織が変わる!自らが変われ!」。高野氏は「経営者は働くことの意味や、会社の理念、ビジョンを明確に持って、社員に伝え続けなければならない」と強調。安里氏は沖縄の観光は「3・11」や円高を背景に分岐点に入ったとの認識を示した上で、今後については観光に各産業を巻き込む仕組みづくりが必要との考えを示した。
高野氏は、長野市で唯一黒字経営をしている中央タクシーを優良事例に挙げた。前代社長は「タクシー乗務員は、旅の物語をお客さんと一緒に作ることと、足の弱いお年寄りなど市民に役立つのが仕事」と理念を話し聞かせる毎日。これは、仕事への誇り作りと、同社で働きたいと思う人を増やす狙いだった。現在は、採用待ちの人が出るほど、人気が高まったという。
観光は、「夢」や「物語」を売るサービス業と位置付け。夢や物語は、人と人との出会いの中で生まれるとし、「もう一度行きたい」と思わせるためにも、そうした環境づくりをしっかり行うよう助言した。
高野氏は、ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長も務めていた。ホテルでのサービス向上については、マニュアルに従順だけでなく「気付く力」「気遣いの力」のある職員を育てる同ホテルの職員教育の事例を紹介した。
安里氏は、今年6月に就任した。宮古の血を引く安里氏は「古里の皆さんへの愛情と、県経済のあり方を確認できる機会になれば幸い」とあいさつした。
スカイマークの那覇-宮古就航に伴い、運賃が安くなったのは、明るい材料と歓迎。同インフラは、地域のビジョン次第で有効に生かされると強調した。
宮古は自然やインフラなど、伸びしろを持っていると分析。「観光商品づくりは、地域づくり。したがって、地域の活性化なくして観光の発展はない」と言い切った。その上で「(各産業と結び付けて)今後の沖縄観光を変えて見せる」と決意を示した。