行雲流水
2011年11月9日(水)22:21
「消滅危機言語」(行雲流水)
2009年国連教育科学文化機関(ユネスコ)は何の対策も練らないと現在世界で使われている言語7000のうち2500の言語は21世紀末には地球上から消えていくおそれのある「消滅危機言語」になると発表した
▼日本語についても指摘した。アイヌ語・八丈語・奄美語・沖縄本島北部の国頭語・中南部の沖縄語・宮古語・八重山語・与那国語の8種は「消滅危機言語」に相当すると
▼事態が無策に推移すれば今世紀末にはきちんと「話すこと・聞くこと」ができる言語は300~600に激減すると指摘する言語学者も少なくない
▼昨今生まれた子が90歳になるころには宮古島は「みゃ~く方言」の話し手も聞き手も見あたらない共通語一辺倒の島となり「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聞きにゆく」(石川啄木)の情感は失せてしまうのだろうか
▼メディアの発達によって四六時中電波にのって押し寄せてくる共通語は地域言語の勢いを弱め先細りさせている。地域固有の言語(方言)が「消滅危機言語」となる要因の一つである
▼宮古島市文化協会はこの現実を憂い何もしないと「消滅危機言語」になってしまう宮古方言の含蓄深い表現や言い回しの妙味について認識を深めるため「鳴りとぅゆんみゃ~く方言大会」を鋭意推進している。しかし方言環境は厳しく若年世代への大会目的の波及は容易ではないようだ。