ヤシガニ保護条例に不備/多良間村
那覇地検が指摘 罰則条項など疑問視
【多良間】多良間村(下地昌明村長)が2010年3月に県内で初めて制定したヤシガニ(マクガン)保護条例について那覇地検が不備を指摘していることが分かった。村側の説明によると、9月下旬にヤシガニの保護区指定における地主同意に必要な手続きが定められていないことや、罰則に関しても指摘を受けたという。下地村長は「指摘を受けた以上は、直していかなければならない」と話した。早ければ12月の村議会定例会で改正する方針だ。
同条例は、議員発議で制定されており、乱獲による絶滅防止と豊かな自然の象徴であるヤシガニを有用な資源として活用していくことが狙い。ヤシガニ保護区の指定や採取禁止期間、違反者に対して村長が10万円以下の罰金を科すことができる条項となっている。
この条例に対し那覇地検は事後審査結果を同村に送付。村は具体的な内容は開示しないとしながらも①保護区指定で、地主同意に必要な手続きが定められていない②罰金を課す項目が村長任意の罰金のように読める③月を特定した採取禁止期間は「毎年」なのかどうか不明-などと指摘されたことを認めた。
また、罰則を定める条例制定に必要とされる検察側との事前協議を行っていなかったことも認めた。波平敏一総務財政課長は「事前協議のことを知らず、不勉強だった」と説明。「議会発議とはいえ、条例を取り扱う私たちが把握していなければならないことで反省している」と話した。
今後の対応について波平課長は「指摘を謙虚に受け止めて正していきたい」と話し、早ければ月議会で改正する方向性を示した。
下地村長は「乱獲を防止してヤシガニを保護しようという条例で、内容は大丈夫だと思っていた。(指摘部分については)知識が不足していた」と話した。