ベイト剤、イモにも有効/県、普及へ実証展示ほ設置
効果試験では被害ゼロ確認
殺虫剤「プリンスベイト」の使用がサトウキビだけでなく、ゾウムシ類の被害の多いカンショ(イモ)にも拡大され、県は普及に向け、実証展示ほを県内各地に設置した。2010年に県病害虫防除技術センターが実施した効果試験によると、同農薬を使った畑の被害塊根率は0%だった。ベイト剤の適用拡大は、カンショ栽培農家に朗報となりそうだ。
プリンスベイト剤は、誘剤(餌)で殺虫する餌タイプの農薬。カンショを食害しているアリモドキゾウムシと、イモゾウムシを対象にした宮古での実証展示ほは、下地地区の上地に設置した。
品種は量が多く取れる加工用の「ちゅら恋紅」。ベイト剤は、10㌃当たり6㌔使用した。同品種の年間の10㌃当たり収量は2・5㌧程度を見込む。
農家によると、被害塊根は収穫量の1割平均ぐらい出る。時には、全滅のケースもあるという。ベイト剤使用は、この被害を減らし商品化率を高める。
9月に植えたカンショの収穫は、来年2月を予定している。同試験を担当する県宮古農林水産振興センター農業改良普及課の久貝正樹さんは「茎を見ると、被害が出ている様子はない」と良い成果に期待する。
実証試験では①収量②ゾウムシ類の被害率(商品化率)-などを調査する。
県病害虫防除センターの試験によると、ベイト剤無使用区の被害率は22・2%、使った所は0%だった。
同センターはゾウムシ類の被害を減らす方法に①サトウキビとの輪作②害虫が寄生する野アサガオの畑の周辺からの除去③被害塊根は畑の外に出す-なども挙げている。