シリーズ 島のくらしと環境〈3〉
「島を美しく」の意識高まる
ごみを捨てる人たちがいる一方で、島をきれいにしようと地域の清掃活動を実践する個人や団体、企業が増えた。総合学習でごみ問題に取り組む学校もある。
南小学校
南小学校では、4年生(2クラス99人)が社会科の生活の単元で暮らしをみつめようと市清掃センターを見学、それぞれ感想文を書いた。ほとんどの子が初めて見る清掃センターのごみの山に驚きと反省の文章をつづった。主任の新垣貴子教諭は「自分たちの出したごみがどんな経路で集められ処理されているかを知る良い機会になった」と話す。同校では、2010年からクリーンエコ作戦を実施、登下校に1人一個ゴミを拾う活動も行う。校内には親たちが作った分別ごみの入れ物も用意され、ごみの無い学校や地域を目指す。
家庭倫理の会
平良東仲宗根にある盛加越公園で早朝、トイレ清掃をする女性たち。下里幸子さんを中心とする5人のメンバーは毎週一回、6時ごろから集まって素手でトイレを掃除する。もう7年になる。メンバーの一人砂川美恵子さんは「便器にたまった石灰をスカッチで落とすのが大変ですが、自分磨きと思えば、やったあと気持ちがいい」と話す。同会は、ビーチや公園、神社など公共の場所などをグループごとに清掃する活動を長年にわたって行っている。
宮古島掃除に学ぶ会
毎朝、盛加越公園でごみ拾いをする宮城敏郎さん(50)。10年になる。「最初のころ大のごみ袋二つは拾えた。一升瓶やビールの空き缶もごろごろしていて、時にはそばで人が寝ていた。翌朝来たらまた散らかっている。正直もう止めようと思った。そんな時、日本を美しくする会の鍵山秀三郎会長の講演を聴き、元気が出た。それから、宮古島掃除に学ぶ会を結成し、今学校のトイレ掃除を中心に活動している」
宮城さんは「学ぶ会」の副リーダーとして団体活動にも力を入れるが、1人で始めた公園のごみ拾いは、今では日課となり仲間も増えた。近くにあるふたば保育園の長田克子園長、太平タクシーの平良博之さんら。長田さんは「ごみ拾いは健康の源」と話し、平良さんは「僕を健康にしてくれた公園への恩返し」と話した。