「10RUN」文科大臣賞/日本フィランソロピー協会
ボランティア活動を評価
社会貢献のための寄付活動を顕彰する日本フィランソロピー協会の第14回まちかどのフィランソロピスト賞の青少年部門で、宮古地区の高校生が走って寄付金を募る「10RUN」の実行委員会が文部科学大臣賞を受賞した。高校生が自主的に続けてきた7年間の社会活動が高く評価された。
この間に走った距離は約6200㌔、集めた寄付金は490万円に上る。今年4月に実施された10RUNハーフ実行委員会の生徒は「先輩方をはじめ地域、学校、企業の協力のおかげ。受賞はとてもうれしい」と喜びを話した。表彰式は来月8日、東京都内で行われる。
同協会のフィランソロピスト賞は、日本の社会に寄付文化を根付かせることが大きな狙い。全国各地で寄付活動を展開する個人・団体の活動状況を調査した上で受賞者を決定。このほど開かれた最終選考会で、10RUN実行委員会は青少年部門で最高の文部科学大臣賞に選ばれた。
10RUNは2004年にスタート。生徒自ら地域の企業を訪問し、400㍍トラック1周当たりの寄付金額を決めてもらい、実際に走った周回数に応じて寄付金を募るという試みだ。
10RUN当日、各校の生徒たちはリレー方式で10時間走り続けて寄付活動を展開する。この結果集まった寄付金は福祉団体などに全額寄付してきた。7年間で10RUNに参加した高校生は延べ2300人。
17日には宮古高校で伊良部高校3年の仲間友里恵さん、宮古総合実業3年の川満恵一郎君、宮古高校3年の亀濱美香さんが会見。それぞれ喜びを語った。
仲間さんは「文部科学大臣賞はびっくりした。この賞を受賞したことでまた参加者が増えると思う」と話し活動の充実を期待。川満君は「先輩たちから受け継いできたイベントで大きな賞をもらえた。この気持ちを忘れずに、これからもいろいろなボランティア活動に参加していきたい」と気を引き締めた。
亀濱さんは「先輩方が懸命に頑張ってきた成果。学校や地域、企業の皆さんの協力のおかげであり、感謝したい。この経験を将来に生かしたい」と話した。
青少年部門でフィランソロピスト賞を受賞したのは10RUN実行委員会を含めて5団体。震災特別賞は兵庫県の舞子高校、奨励賞には東京都の杜松小学校など3校が選ばれた。
12月8日の表彰式には仲間さんらが出席し、文部科学大臣賞を受賞する。
下地敏彦市長の話 宮古の高校生がボランティア活動の一環で、自分たちにできることとして10RUNを行っている。集めた寄付金を福祉団体に贈っていることは、自分たちも社会に参加し、そして社会的弱者と言われている人たちをどう支援するかなど福祉の問題をしっかりと考えることであり非常に良いこと。今回の受賞はそれが評価されたということだと思う。賞を励みに、今後も大いに頑張ってほしい。