エコ観光・通勤の実績確認
開始1カ月で意見交換/自転車活用CO2排出削減実験
第1回低炭素型自転車活用協議会が17日、市役所平良庁舎で開かれた。10月から宮古島市公設市場と来間島のペンション、市役所下地庁舎を拠点に実施されている自転車を活用した二酸化炭素(CO2)排出量削減のための社会実験について、委員らが開始1カ月間の状況や実績を確認し、課題や今後の取り組みなどについて意見を交わした。
宮古島市では2009年度から国土交通省の「先導的都市環境形成促進事業」を活用し、自転車(レンタサイクル)を利用したCO2排出減少へ向けた事業を計画。事業策定部会での検討やプレ実験などを経て、今年10月1日から、観光用に自転車を貸し出す「エコ観光」を、同7日からは市職員が自転車で通勤する「エコ通勤」の実験をスタート。公設市場、来間島の「ペンションたきなか」、下地庁舎の3カ所で電動アシスト自転車13台とクロスバイクと呼ばれる整地走行用自転車5台の計18台を無料貸し出ししているほか、下地庁舎ではレンタサイクルと個人所有の自転車を使い建設部の職員9人が「エコ通勤」に取り組んでいる。
実験開始1カ月間でレンタサイクルは、公設市場では延べ150台、来間島では56台、下地庁舎では3台が「エコ観光」に利用された。「エコ通勤」では11月から参加した1人を除く8人の職員が平均で10・3日間、自転車で通勤。合計走行距離は908・3㌔で、自動車を使わないことにより削減されたCO2量は152・6㌔㌘と見積もっている。
第1回協議会では、事務局が実験の計画やスケジュール、開始1カ月の実績などを説明。委員からは「段差を解消するなど自転車で安全に走れる道路整備をすべき」や「車道に自転車専用レーンを設置すべき」など道路環境整備を求める声や、「イベント会場などでもレンタサイクルをPRしてはどうか」などPR強化の提案、「観光客が利用することで地元の人が自転車を見直す可能性もあると思う」などの意見が出された。
同社会実験の期間は12年2月29日までで、低炭素型自転車活用協議会は1月に第2回を、実験終了後の3月に最終となる第3回の開催を予定している。
同協議会の委員は次の通り。
砂川久伸(宮古島商工会議所部長)▽中尾忠筰(宮古青年会議所理事長)▽根間春仁(宮古島観光協会事務局長)▽堀川政憲(まちの駅・市場代表、市場通り商店街振興組合理事長)▽仲松義雄(ペンションたきなか代表)▽渡邉忠継(サイクルショップくるくる店長)▽羽地昇子(西里大通り商店街振興組合理事長)▽伊志嶺一弘(下里ハイビスカス通り商店街振興組合理事長)▽島袋竜之進(宮古旅倶楽部営業企画部長)▽下地一世(ピースアイランド宮古島)▽狩俣喜和(ホテルサザンコースト宮古島)