累積赤字1億700万円/コーラル社株主総会
債務超過は4000万円に/市、再建へ原料供給支援
宮古島市などが出資する第三セクター、コーラル・ベジタブル社(砂川佳一会長)の定時株主総会が25日、下地公民館で開かれた。第12期(2010年9月~11年8月)の単年度決算は、1225万円の赤字、累積赤字は1億739万円を計上した。同社は経営不振が続き、借金が資産を約4000万円上回る債務超過に陥っている。第13期は組織再編で製造、販売部門の機能を強化して起死回生を図る方針を示した。
筆頭株主である宮古島市の下地敏彦市長は、赤字原因の原材料不足改善のために、市の畑にアロエベラを栽培し供給するよう農政課に指示したことを明らかにした。株主の砂川拓也・多良川社長も、同社の販売網を駆使し、支援していく考えを示した。
12期の売上高は1億576万円で、前期と比べ522万円の減収となった。理由に、直売店に立ち寄る観光客が減ったことや、アロエベラ原料代金の支払いが遅れて農家の不信を招き、仕入数量が予定より20%少なかったことなどを挙げた。
12期は同不信を払拭し、信頼を取り戻すために、職員が農家の畑に出向き、除草や堆肥散布、収穫作業を無料で行ったことを報告した。
今後に向けては①行政・銀行依存体質から自主・自立・身の丈経営への脱皮②受託生産頼りから自社製、直販営業への脱皮③全方位型経営からアロエベラジュースを基軸とする一点集中主義への脱皮-の三大脱皮方針を示した。
組織再編は製造部と原料部を「アロエベラ生産加工所」として統合。販売部門は、新会社を設立して独立させる。加工所に新設する「研究開発室」は、農商工連携事業を活用し、新商品を開発。県外の販売は、大阪の健康食品会社が引き受けるという。販売を担当する新会社は、島内やネット販売に力を入れる。13期の売上は、前期比約1700万円増の1億2270万円を計画している。
砂川会長は「生き抜くことに全力を注ぐ。会社の役割からすると、倒産するわけにはいかない」と会社再建に強い決意を示した。