稲石刀自の功績顕彰/2011年度稲石祭
宮古上布の発展誓う
宮古上布の創製者、稲石刀自の功績を顕彰する2011年度稲石祭(宮古織物事業協同組合主催)が30日、旧宮古神社境内で行われた。今年は新たに香炉が設置され、神事はその香炉前で行われた。関係者約30人が稲石の功績をたたえると共に、宮古上布の一層の発展を誓った。
宮古神社の奥間寛次神主が神事を執り行った。同協同組合の理事長を務める長濱政治副市長、黒島師範県宮古事務所長、平良隆宮古島市議会議長や同組合員らが玉串を奉納した。
神事後、長濱理事長は「人頭税の中で粟、米の不足分を上布で納めた。その中で磨きが掛かり美しい物になった。上布が宮古の産業に与えた影響は大きく、稲石刀自の貢献をたたえたい」とあいさつした。
平良議長は「生活環境の変化で上布を取り巻く状況も厳しいが、市議会は直面する課題解決のために鋭意取り組みたい」と述べた。
宮古上布は国の重要無形文化財に指定されている織物。400年以上前、稲石の夫・真栄が琉球の船を遭難から救い、下地の頭に任じられた。稲石は夫の栄進に感激して布を織り、琉球王府に献上した。これが後に宮古上布と呼ばれるようになった。