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社会・全般
垣花 優子さん(51歳)合同会社「かたあき」 代表 城辺字福里
「多くの人に愛される里に」
赤瓦の屋根、琉球石灰岩の石垣、松林…。中世の町並みにタイプスリップしたかのような「かたあきの里」。熱帯植物園南隣にある生活体験滞在型の施設が7月からオープンした。
代表を務める垣花さんは「昔のおばあやーの雰囲気を感じ取ってくれたら幸い。観光客に限らず地元の人たちにも利用してほしい」と話す。
国内の木造住宅を見直そうと国交省が手掛けた経済対策で、超長期住宅先導的モデル事業の補助事業を活用して建設された。5344平方㍍の敷地内に、管理棟を含め7棟が建つ。すべて木造で山形県の樹齢85年の金山杉を使用、屋根の赤瓦は沖縄本島から取り寄せた。通気性や遮熱性に優れ、夏は涼しく、冬は暖かい造りとなっている。
垣花さんにとっては大きな転機だった。「昨年、夫の義理の兄弟から今度の話があり、とてもやりがいのある話とは思ったが、これまで長年勤めた会社を辞めなければならず、勇気が要った。いろんな方たちの思い入れがあって今日に及んでいる。社名の『かたあき』は宮古の方言で役割や義務の意味がある。私のカタアキは、きちんと運営していくこと。この里がみんなに愛される場所になるよう努力したい」と意欲的。
住宅は、台風とシロアリに対応できるような構造になっている。屋根裏はなく、そのまま見える現しの天井で、通気が循環して外に出るような配慮。また、全体にカギのついた網戸を設け、夜でも雨戸を開けて眠れるような造り。暴風対策も万全。4人宿泊の小タイプ、8人用の中タイプ、12人用の大タイプがある。それぞれに、一番座、二番座、裏座を取り入れている。
建物に入ると、木の香りが漂い、ひんやりとした心地よさがある。宮古らしい観光施設が少ないという発想から生まれた宿泊施設。「オープンから一月。施設はほとんどふさがった。中でも夏休みを利用して地元のお客さんが身内18人で宿泊してくださったことが嬉しい。今のところ休みもないが、家族がみんなで応援してくれるので頑張れる。楽しみながら続けようと思っている」と表情も明るい。
垣花 優子(かきはな ゆうこ)1958年12月3日、下地字上地に生まれる。宮古高校を卒業後、沖縄本島で生活、城辺出身の夫・敏充さんと結婚して宮古に戻る。「多良川酒造」で13年勤務、2009年12月で退社、「かたあき」の代表に。敏充さんとの間に1男2女。